おしっこ我慢できない?
以下のような症状をお持ちの方は一度当院までご相談ください。
- 突然我慢できないほど激しい尿意を感じ、時には間に合わず少し漏らしてしまう
- なんらかのストレスや緊張で突然尿意を感じてしまう
- 残尿感が続くようになっていたが、それに続いて激しい尿意を催すようになった
おしっこ我慢する仕組み
膀胱には尿量センサーがあって、一定以上の尿が溜まった時に、「脳にそろそろ満杯です」という信号を送ります。すると膀胱は自然に収縮し、尿道周りの不随意筋もゆるんで排尿しようとしますが、脳は「ちゃんとトイレについて準備が整うまで我慢しよう」として、膀胱や尿道周りの随意筋などを調整して尿が漏れないようにします。そしてトイレで準備が整ったら、「排尿しましょう」という信号が脳から伝達され、排尿が始まります。
膀胱に溜められる尿の量は人によって異なりますが、一般的には200~400mL程度とされています。それを超えて尿が溜まってしまうと、我慢しきれなくなってしまうこともあります。
尿意切迫感を引き起こす病気
泌尿器疾患
過活動膀胱
通常、腎臓で作られた尿が膀胱に適量溜まると、膀胱にある尿量センサーが働き、脳に信号が送られ、脳からはトイレに行くまでは尿が出てしまわないよう調整するフィードバックがあります。しかし、なんらかの原因からその仕組みのどこかに障害が起こると、尿があまりたまっていないうちに膀胱が激しく収縮してしまい、激しい尿意を感じます。これが過活動膀胱で、加齢によって膀胱の機能が低下してしまうことなどの要因が指摘されていますが、はっきりと原因は分かっていません。
あまり尿がたまらないうちに我慢できないほどの尿意が生じ、しかも半数以上が切迫性尿失禁を伴っているという報告もありますので、日常生活の質が大きく低下します。
前立腺肥大症
前立腺は膀胱の真下に尿道を取り囲むように存在する男性特有の臓器です。前立腺は加齢とともに肥大してくる傾向があり、そのために様々な症状が伴うようになると前立腺肥大症となります。肥大した前立腺が尿道や膀胱を圧迫することで、頻尿や尿意切迫感、残尿感などがあらわれ、進行すると尿が溜まっても出せなくなる尿閉を起こします。
間質性膀胱炎
細菌感染の徴候などがないのにも関わらず、膀胱の粘膜に炎症を生じるのが間質性膀胱炎です。明らかな原因はまだ分かっていませんが、膀胱粘膜の機能異常、自己免疫などが関係しているのではないかと考えられています。
症状は頻尿、尿意切迫感などに伴い、膀胱に尿が溜まった際の下腹部痛などがあります。
神経疾患
脳梗塞・脳出血など
脳出血や脳梗塞など、脳血管障害によって、膀胱や尿意を司る脳の部分が障害されると、膀胱の収縮や尿道の括約筋の動きなどに異常を来してしまいます。それによって、膀胱の筋肉に異常な収縮が起こることで尿意切迫感があらわれます。
椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
脳からの伝達経路の中枢となるのが脊髄です。外傷や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などによって、脳と膀胱を繋ぐ神経の経路が障害されてしまうと、膀胱への伝達が正常に行われなくなって、時に尿意切迫感となってあらわれることがあります。
精神疾患
心因性頻尿・尿意切迫症候群
ストレスや緊張、不安感など、心理的な問題が原因となって頻尿、尿意切迫感を起こすことがあります。発表などの出番前に突然トイレに行きたくなるような状態が続いているような状態で、時には不眠、食欲減退、気分の落ち込みなども伴うことがあります。睡眠中などには症状が起こらないことが特徴です。
尿意を抑えるためにできること
水分量を調節する
尿意切迫感や頻尿があるから、水分はあまり摂らないようにしているという話を伺うことがあります。もちろん水分の摂り過ぎは尿量を増やすので良くはありませんが、逆に取らなさすぎても、脱水などを起こしてしまいます。自分に必要な水分量を知り、摂り過ぎず、摂らなさすぎず、適量をしっかりと補給するようにしましょう。
食べ物・飲み物に気を付ける
カフェインには利尿作用があり、摂り過ぎると頻尿や尿意切迫感の原因となります。カフェインの多い飲み物としては、コーヒー、玉露、紅茶などが挙げられます。また柑橘類や炭酸飲料などの他、香辛料も尿意切迫感の刺激となることがありますので注意が必要です。
尿意切迫感で病院受診する必要ある?
尿意切迫感があっても、社会生活に影響がなければ様子を見てもいいのですが、生活に影響が出ていたり、尿漏れを伴ったりするようであれば、お早めに受診することをお勧めします。特に痛みや尿勢低下などの症状が伴う場合、何らかの疾患が隠れている可能性もあります。尿のことだからと恥ずかしがらずに、ご相談ください。