膣のゆるみは膣圧が原因かも!膣圧のセルフチェック
以下のリストで3つ以上の項目にチェックが入った方は膣圧の低下が原因で膣がゆるんでいる可能性があります。
- おしっこを途中で止めることができなくなった
- お風呂の中で膣にお湯が入って、上がる時に膣からお湯漏れがある
- 性交時に空気が入ってしまうようになった
- 性交時にうまく膣を締めることができなくなった
- 性交時にパートナーのコンドームが外れてしまう、外れそうになる
- 性交時に密着した感覚がなくなってきた
膣がゆるくなる原因
加齢
加齢によって、目の下や頬などにたるみが出るのと同様、膣の内部でもコラーゲンなどの潤い物質の分泌が減り、組織の弾力が失われて膣壁は薄く硬くなっていきます。同時に筋力も衰えて行き、膣はゆるんできます。
出産
妊娠時、胎児の入った子宮は骨盤底筋群という骨盤の一番下にハンモック状に位置する筋肉や腱などの集まりに支えられています。そのため胎児が大きくなればそれだけ骨盤底筋群に負担がかかり、さらに出産時には骨盤底筋群と膣壁が激しく押し拡げられます。それによってダメージを受けた骨盤底筋群や膣壁は完全に元に戻ることはないため、膣のゆるみが生じます。
運動不足・姿勢
骨盤底筋群は、加齢によって衰えてきますが、運動不足はさらに衰えに拍車をかけてしまいます。また、姿勢の悪さや長時間座り続けることなどでも臀部や膣の筋肉がゆるみに繋がります。
骨盤底筋群は、ジムなどのトレーニングマシンなどでは鍛えにくいインナーマッスルですので、普通の運動ではなかなか鍛えることができません。ヨガやティラピスなどは有効という研究もありますが、骨盤底筋体操もお勧めです。当院では生活指導とともに、骨盤底筋体操の方法などもお伝えしていますので、ご相談ください。
肥満
下腹部に脂肪がつくことによって、腹圧が上がりやすくなり、また自重も増えますので、骨盤底筋に負担がかかり膣のゆるみの原因となります。
環境
長時間の立ち仕事、重い荷物を頻繁に持ち上げるなどの仕事や生活環境によって骨盤底筋群に負荷をかけ続けると、筋肉が伸ばされてしまい、膣がゆるんでしまいます。
便秘
便秘によって排便のためにいきむ習慣があると、そのたびに骨盤底筋群に負荷がかかり、骨盤底筋群がゆるみ、膣のゆるみにも繋がっていきます。便秘はその他にも様々な影響がありますので、適切な治療をするようにしましょう。
生理
月経の時は、一般的に子宮や膣はやわらかい状態になっています。そのため普段より膣がゆるいと感じる方も多いようです。この場合、月経が終われば元に戻りますので心配ありません。
膣のゆるみを放っておくと…
骨盤底筋の衰えが原因の腟のゆるみの場合
排尿障害や、骨盤臓器脱、膣下垂などを起こす可能性があります。
腟粘膜の衰えによるゆるみの場合
膣粘膜が衰えると、刺激や細菌の侵入などに対して弱くなってしまい、膣炎や膀胱炎を繰り返すことや、GSM(閉経関連性器泌尿器症候群)などにかかりやすくなってしまいます。
膣のゆるみに対する治療
インティマレーザー
インティマレーザーは、特殊なレーザー光で膣壁にはダメージを与えず、粘膜の下の層まで温熱加え、コラーゲン生成を促進させ、膣の張りや潤いを取り戻す働きをする治療です。膣内にガラス管を入れて専用のアプリケータを使って膣全体にレーザーを照射します。
盤底筋を鍛える
骨盤底筋を鍛えることで、膣のゆるみを改善することができます。様々な方法がありますが、基本は肛門と膣と尿道を同時にぎゅっと締めて、ゆるめるという動作の繰り返しです。慣れないとうまく締めることができないかもしれませんが、慣れてくると立ったままでもできるようになります。同時に腹筋や背筋なども鍛えることでより効果が上がります。
下半身を鍛える
下半身の筋力アップによっても膣圧はアップします。スクワットや腿上げなどで大腿筋を鍛えると膣圧を上げるのに役立つばかりではなく、大きな筋肉を動かすことで脂肪や糖質の消費にも役立ちます。またジョギングやウォーキングなども全身運動になり、膣を引き締めるだけではなく、全体的なブラッシュアップの効果も上がります。
膣ボール
膣を引き締めるための専用トレーニング器具として膣ボールがあります。重さやサイズは様々ですが、最初は軽く小さいものから始めることをお勧めします。使い方は膣内にボールを挿入して引き締める訓練をするというものです。使用後はきれいに洗って清潔に保管しましょう。不衛生な環境で使用するとかえって膣トラブルの原因となります。
膣にゆるみが出た時の性行為への影響
男性は、ペニスへの摩擦や圧力によって性感を得ています。そのため、パートナーの女性の膣圧が高く締め付け感があることで、より快感が高まることは確かです。膣がゆるみ、膣圧が低下していると、男性は膣内で快感がピークに達することができないといった可能性もあります。そのため、満足のいく性行為を続けるために、膣圧の高さも大切にするようにしましょう。
膣トレ-ニングのメリットは日常生活の向上にも繋がります
膣トレーニングの効果は、性感のアップだけに留まりません。膣周辺の筋肉を鍛えることは、自然と骨盤底筋のトレーニングにも繋がります。それによって、尿漏れなどの排尿障害を軽減する効果や、骨盤臓器脱の予防、症状軽減に繋がる場合もあります。特に骨盤臓器脱があると、内臓に大きな負担がかかってしまい、他の疾患の合併に繋がる可能性もあります。適切なトレーニング方法で身体に負荷を掛けすぎないようトレーニングを行いましょう。