眠れない(睡眠障害・浅睡眠)

眠れない睡眠障害?

睡眠障害とは、眠りに関する症状を伴う様々な疾患をまとめた呼び方です。睡眠障害は、大きく質的・量的に満足に睡眠を取ることができない「不眠症」、日中でも眠くなってしまう「過眠症」、睡眠中に何らかの症状が起こる「睡眠随伴症」の3つに分けることができます。
このうち最も多いのは「不眠症」で、なかなか寝付けない、眠りが浅くしょっちゅう目覚めてしまうといったことから、肉体的、精神的に様々な問題があらわれてきます。
また、夜中にトイレに目覚めてしまう「夜間頻尿」をきっかけとして不眠症に至ってしまうこともあります。眠れない原因を知り、適切な対策をとるようにしましょう。

眠れない原因

不眠症

なかなか寝付けない(入眠障害)、眠りが浅く何度も目覚めてしまう(中途覚醒)、常に眠りが浅い(熟眠障害)、眠りが足りないのに早朝に起きてしまう(早朝覚醒)といった症状が1か月以上にわたって続いている場合、不眠症と診断されます。日中の生活に影響がでてしまうこともあります。不眠症に悩む人は、日本人の5人に1人と言われています。

概日リズム睡眠障害

人の体内時計は1日が25時間でできています。それに対して暦上の1日は24時間でできています。通常は、この1時間のずれを生活習慣や昼夜のリズムなどで補っていますが、時にこのずれを修整できないことがあり、一般的な社会生活と合わなくなってしまうのが概日リズム睡眠障害です。入眠時間が不規則な生活を送っているとこのタイプの睡眠障害にかかりやすいため、注意が必要です。

過眠症

十分眠ったにもかかわらず、日中眠くなって仕方がない、いつも眠くて仕事や学習などに集中できないといった状態が過眠症です。重症化すると、日中突然眠ってしまうこともあります。いつも眠りが足りない感覚があって、なかなか疲れもとれなくなります。
過眠症には、睡眠と覚醒を司る中枢神経の機能に障害が起こり発症する「中枢性過眠症」と、睡眠時無呼吸症候群やいびきなどのために発症する「症候性過眠症」があります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠呼吸障害は、眠っている間の呼吸に異常が起こる疾患の総称として使われる言葉です。その中でも特に多いのは、眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」です。呼吸が止まることによって眠りが浅くなってしまうだけではなく、心臓や血管などにも負担がかかり、最悪の場合突然死の原因となることもあります。自身では気づきにくいのが特徴ですので、家族などにいびきの指摘をされましたらご相談ください。

うつ病

うつ症状でなかなか眠れない人が、不眠となりますますうつ状態が悪化するという悪循環に陥ることもあり、うつ病と睡眠障害の関係が指摘されています。不眠の原因がうつ状態にある場合は、通常の睡眠薬でも効果が得られない場合もあります。しかし近年では、新しいメカニズムで作用する副作用の少ない抗うつ薬なども開発されてきていますので、我慢せず、また頑張ろうとせず、適切な治療を受けるようにしましょう。

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

夜になると、下肢がむずむずするような、痛痒いような感覚が湧いてきます。動いている間は症状が落ち着いているのですが、じっとしているときに症状があらわれることが特徴です。寝床でじっとしている時に不快感に襲われやすく、なかなか寝付けない、寝てもすぐに目覚めてしまうといった症状が起こります。この病気の原因は不明で、根治療法はまだありませんが、パーキンソン病に使う薬などで対症効果があります。中年以降の女性に多い傾向がある疾患です。

夜間頻尿

夜間頻尿は、膀胱の尿を貯める能力に障害がある場合や、睡眠中には尿の生成を少なくする仕組みが働かなくなるなどの原因で起こります。寝ている間に2度トイレに起きることが続く場合、眠りの質がかなり低下し、日中の生活への影響も大きくあらわれてしまいますので、適切な治療が必要です。

夜間多尿外来

眠れないときの対処法

寝る直前に体を温める

夜うまく寝付けない、眠りが浅いなどでお困りの方は、眠前にシャワーや半身浴などで体を温めてみましょう。

生活習慣から一番風呂に入っている方や夕方にスポーツジムでとレーニンウ後にシャワーで済ましてしまってる方は、一度寝る30分前にシャワーを浴びて寝てみましょう。人間に体のメカニズム上体温が上がってから下がるときに入眠しやすくなります。

心と身体を休める

うまく入眠できないときに、眠ろう眠ろうと焦ってしまうと、なおさら眠れなくなってしまうことがあります。そんな時には逆に、「少しぐらい眠れなくてもいいや」と気楽に考えるようにしましょう。心がリラックスすれば、副交感神経が働くようになって、身体の緊張もゆるみます。また、寝る前に温かいハーブティーなどを飲むのも良いでしょう。リラックス効果のあるヨガのポーズや軽いストレッチなども身体をほぐしてくれます。

ツボを押す

リラックス効果を得ることができる身体のツボがあります。たとえば労宮(ろうきゅう)という、手のひらのまん中、手を握った時に人差し指と中指が当たる部分の中央にあるツボは神経が高ぶったりイライラしたりしたときに効きます。寝ようとする時間の30分から1時間程度前を目安に、テレビを見ながらなどではなく、薄暗くした部屋でゆったりと深呼吸をしながら、そういったツボを押すことでツボ押しの効果を得やすくなります。

寝る前に液晶画面を見ないようにする

就寝前にスマートフォンやパソコンの画面を見つめると、視神経が興奮して寝付きにくくなることがあります。液晶画面は、後に光源があって常に光源を見つめていることになる上、バックライトのLEDなどから出るブルーライトは睡眠に入るのを阻害してしまうことがあります。就寝前はスマホやテレビの画面を見ることを控えるようにしましょう。

安眠できる寝室を作る

しっかりと眠るためには、寝室の環境も大事です。部屋の明かりを段階的に調節できること、室温を暑くも寒くもないような適温に調節できること、湿度も保つことができることなどに気をつけましょう。また、寝具を自分に合ったものにすることが大切です。特にストレートネックをお持ちの方は自分の首の形にあった枕を使用すると気道の確保にもなり呼吸がしやすくなります。その上で、気を散らすような余分なものがあると、気になって目覚めてしまうこともありますので寝具のまわりには置かないようにしましょう。日本の夏は非常に熱く、日中の輻射熱も建物の壁に蓄積します。夜間30度以上の場合は冷房などできちんと室温を下げましょう。

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