男性更年期障害外来(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)

男性更年期障害
(加齢性腺機能低下症、
LOH症候群)とは

男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)とは更年期というと女性だけのように考えられていた時代もありましたが、21世紀に入ってから、様々な研究によって、男性にも更年期が存在し、そのために体や心に不調が起こる男性更年期障害があることがわかってきました。主な症状としては、なんとなく不調を感じる、やる気がなくなってくる、筋力が衰えた、突然ほてりを感じることやどっと汗をかくことがあるなどです。また、症状の中には、尿の勢いの低下や夜間頻尿、精力減退や勃起障害などもあります。
これらは、男性の性腺機能が低下することによって起こるため、加齢性腺機能低下症と呼ばれており、英語のLate Onset Hypogonadismの頭文字をとってLOH症候群と略称されることもあります。

男性更年期障害と
女性更年期障害の違い

女性の更年期障害は女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌が、閉経を中心にしてその前後5年ずつぐらいの間で、急激に大きく揺らぎながら減少していくことが原因とされています。そのため、閉経後5年ほど経つと急激な減少が落ち着き、体も慣れてくるため更年期が終わり、障害もあらわれなくなります。
一方、男性の更年期障害は男性ホルモンであるテストステロンが中年以降継続的に減少し続けることで起こります。減少の程度や始まる次期は人それぞれですが、女性のように10年と限られるわけではなく、終わりがありません。男性更年期障害は、例えるならば冬の夕暮れの空の様に、寒空の中だんだんと夕日が沈むイメージです。

男性更年期障害の症状

男性ホルモンは、男性の生殖機能を司り、2次性徴期には男性器の発達を促す作用があります。また筋肉や骨格の成長を促すといった身体的な作用の他、前向きに生きる力、やる気、集中力、明るい考え方など精神面のポジティブさを支える働きもあると考えられています。そのため男性ホルモンの分泌が減少してくると、以下のよう様々な症状があらわれてきます。

身体症状

  • 筋肉痛
  • 発汗
  • ほてり
  • 疲れやすい
  • 頻尿
  • 肥満

精神症状

  • 不安
  • うつ
  • 不眠
  • イライラ
  • 興味や意欲
    の喪失
  • 集中力や記憶力
    の低下

性機能症状

  • 性欲低下
  • ED

男性ホルモン値と
長寿(寿命)・
サルコペニア

テストステロンの分泌が必要以上に減少してしまうことで起こる様々な症状の中でも代表的なものの一つがED(勃起障害)です。
男性の生殖機能は、女性の閉経のようなはっきりとした終わりがありません。性行為が可能な程度の勃起力があれば80歳であろうが90歳であろうが生殖能力があると言えます。そのため、EDは心理的な問題や糖尿病などの生活習慣病の症状の一つと考えられていた時期もありました。しかし、現在ではEDは勃起のメカニズムが研究され、血管の病気の一種として起こると考えられています。陰茎の動脈は大変細くできており、ちょっとした動脈硬化でも影響を受けて勃起障害が起こりやすくなります。つまり勃起力は男性の血管の健康状態を早期のうちに確認できるバロメーターともなります。
男性更年期障害は、通常血液中の遊離テストステロンの値を計測して、診断を行いますが、基準値よりも低下している場合には、EDなどの性機能障害だけではなく、精神的には抑うつ、やる気の低下といった精神・心理面の変化、肥満、動脈硬化や血管内皮機能の障害といった心臓や血管の疾患、メタボリックシンドロームや肥満、それに伴う糖尿病などの生活習慣病が起こりやすくなるといった様々な方面への影響を指摘する研究も多く報告されています。さらに近年の研究では、男性ホルモンの低下と認知症の関係や、骨格や筋量の低下から活動量が低下するサルコペニアとの関連も指摘されています。
このようにテストステロンは、男性の健康を維持するために大きな働きをしていることが分かってきています。EDはその前駆症状とも言えますが、日本人では60歳代の男性の6割以上にも程度の差こそあれ見られるといいます。
EDの傾向がみられたら、定期的に血液検査を受け、時にはテストステロン(男性ホルモン)値、PSA(前立腺がんのマーカー)も検査するなど、健康状態のチェックを怠りなく、また適度な運動や食生活の改善など、生活習慣の改善も同時に行っていくようにしましょう。
また、薬物療法などで定期的にエレクション(勃起:election)をさせるペニスリハビリテーションの考え方も出てきており、男性は定期的に勃起を促すことで男性ホルモン値の上昇、ひいては健康に寄与します。EDは、血管機能やホルモン機能とも関連しており、近年では心疾患のバイオマーカーとなり得るかも検討されています。

ED外来

男性更年期障害の治療

中年期以降、どこも悪いところがないのにもかかわらず、何となく体調が悪い、イライラする、ほてりや発汗があるといった症状がある場合、男性更年期障害を疑います。その場合、問診、血液検査による男性ホルモン値の計測と国際的な問診票であるAMSスコアなどによって診断を行います。
検査によって加齢性腺機能低下症(LOH症候群)と診断された場合は、運動や食事の改善、ストレスの状態をチェックし様々な療法でストレスを解消する、睡眠などを改善することに加え、漢方の処方、ED治療薬や抗うつ薬などの薬物療法を行います。
症状が重く、男性ホルモン量も低い場合はテストステロン補充療法といい、健康保険の適用となっているテストステロンを2週間から4週間おきに筋肉注射で投与する治療を行います。また、当院では、テストステロン認定医のみが処方出来るテストステロン軟膏の処方が可能となります。このため、注射の治療間隔を延ばし受診回数を減らす取り組みや、簡便にテストステロンを投与できる方法を提供しています。

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