ED(勃起不全)は全身疾患のバロメーター

EDとは?

勃起不全(ED)は、満足のいく性交を行うのに十分な勃起を達成および維持することができないことと定義されます(1)。EDは、すべての年齢で男性の問題であり、患者とパートナーの生活の質に大きな影響を与えます。世界中で1億5,000万人以上の男性がさまざまな程度のEDを患っていると報告されています(2)。人種や地域の違い、EDの定義の違いにより、EDの既存の疫学データには大きなギャップがあります。アメリカでは、EDの発症率は1000人あたり25.9例で、年齢とともに増加し、70歳以上の男性の70%以上がEDに罹患しています。2025年までに、世界中で3億2,200万人の男性がEDになると予測されています(3–5)。日本においては、少子化という言葉をいろいろなメディアで見かける機会が増えましたが、その少子化の要因の1つとなる性機能の実態について、全国規模の調査は1998年に実施されて以降の大規模調査はおこなわれていません。25年前の調査報告を使用している状態でしたが、日本性機能学会の臨床研究促進委員会において20歳から79歳の日本人男性6,228人に対し、2023年5月29日(月)~6月24日(土)の期間で性機能障害に関するオンライン全国調査が行われています。日本性機能学会により2024年に25年ぶりの全国調査が行われ、日本人男性の性機能が明らかになりました。 「約1,400万人が勃起障害(ED)」 「SEXの回数1年に1回程度以下が45.7%」 「早漏で悩んでいる人は約910万人」とされています。結果から勃起障害(ED)の有病者数は約1,400万人にのぼることが明らかになり、1998年の前回調査(1,130万人)から約270万人の増加となっています。

EDの危険因子

EDの発生は、老化、喫煙、肥満、アンドロゲンレベル(男性ホルモン)の低下、心血管疾患、うつ病、前立腺手術、陰茎外傷など、多くの併存疾患や危険因子と関連していることが研究で示されています。

骨盤内血流の低下がEDの要因にもなりうる

最近の知見によると、動脈性アテローム性動脈硬化症による血管の閉塞が、骨盤血流を低下させ、膀胱、前立腺、陰茎海綿体をすべて退縮させることが病理学的にも分かってきました。EDの問題は、陰茎局所の加療だけでは不十分で骨盤内血流の改善も行うことが重要と考えられます。


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EDと心不全

陰茎は、他の管同様に血管が走り、さらには体表に近く評価可能な器官です。
陰茎も体の血管が走る臓器の一つととらえると自分自身の血管の状態を知る一つのバロメーターになります。体の最も重要な臓器である心臓の血管の詰まりや狭窄は加齢による血管の変化で起こります。心不全(HF)とは、心臓が体の代謝要求を満たすのに十分な血液を送り出すことができないことを特徴とする慢性疾患です[1]が、勃起障害が心不全症状の発症に数年先行し、心不全の基礎となる心血管疾患(CVD)のマーカーにもなり得えると報告されています[7]。EDは心不全の一般的な合併症であり、心不全患者さんの最大81%が罹患しています[1]。EDと心不全の2 つのの関連は双方向で複雑で、EDイコール心不全ではありません。そこには正常な勃起機能を損なう複数の要因が関与しています [7]。したがって、臨床医は、心不全患者さんのEDの原因、有病率、診断、および管理、および心血管リスクと予後に対する影響を理解することが重要です。心不全(HF)と勃起不全(ED)は、世界中の何百万人もの男性が罹患し、生活の質を損なう2つの代表的な疾患です。EDは、心不全の頻繁な合併症であり、心血管イベントと死亡率の可能性のある予測因子です。EDは、臨床医や研究者から注目されるべきものです。

世界のED治療の現状とメカニズム

EDは深刻な問題です。欧米では、男性機能が維持できないと離婚の訴訟でも負けてしまうことがあるとか。このため、欧米ではpenile rehabilitaion(PRPペニスリハビリテーション)という考え方があります。最適な陰茎リハビリテーションプログラムの構築です。(図)そこには、薬剤による治療により陰茎平滑筋のGMPを上昇させて、平滑筋の維持、線維化の減少を促します。さらに、真空勃起装置や尿道内座剤、陰茎海綿体内注射などにより勃起を維持するプログラムです。これらによるしっかりとしたプログラムで系統立った治療がなされない場合には、治療効果が弱い可能性があります。また、プログラムの中に、低強度衝撃波治療:LIEST(Low-intensity extracorporeal shockwave therapy)があります。これは、低強度衝撃波により血管の組織障害(血管内皮の障害)を一時的に起こすことで、新しい血管を育てる血管内皮増殖因子(VEGF)などの放出と循環を促進します。細胞レベルでの勃起不全の病因に作用し局所的な血管の再生(リモデリング)を起こす効果が期待されます。このために、陰茎局所の治療として陰茎に直接的に衝撃波を当てて治療する治療機器はいくつか存在します。しかしながらこうした陰茎に対する衝撃波治療は、商業的に行われていることもあり、そのデバイスに一貫性が無いのが現状です。現在、使用されているEDに対する低出力衝撃波治療(ESWT)の現状をまとめた論文では、エネルギー源として電磁気、電気油圧、圧電などの異なる3つのエネルギーが使用されており、エネルギーパラメーターも0.09~0.554ml/mm²で幅が広く一定しない現状です。160人のED薬物治療無効患者と190人の一部効果を認めた患者への低強度衝撃波の成功率は45%と47%との結果でした。

ED治療に必要なメカニズム


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勃起に必要なメカニズムとしては、心理的な要因、神経的な要因、血管新生性要因、内分泌性要因、分子レベル要因などがあげられます。 勃起は、性的刺激に応答して非アドレナリン作動性および非コリン作動性神経線維から一酸化窒素(NO)をし、勃起が開始。これにより、グアニルシクラーゼが活性化され、陰茎の平滑筋細胞中の環状グアノシン一リン酸(cGMP)の濃度が上昇。同時に、副交感神経コリン作動性神経線維がアセチルコリンを放出し、アデニリルシクラーゼを活性化し、環状アデノシン一リン酸(cAMP)の細胞内濃度を上昇。その後、カルシウムレベルが低下し、平滑筋細胞が弛緩して血流が増加します。陰茎からの血液の流出は、細静脈下細静脈の圧迫によって妨げられ、恒久的な硬直状態につながります。

心理的な要因:不安、ストレス、うつ病、精神障害

神経的な要因:神経原性障害、中枢レベルの神経軸(脊髄疾患)、根治的前立腺全摘除術で発生する末梢障害

血管新生性要因:陰茎動脈や静脈の血管障害、高血圧、糖尿病、脂質異常症など

内分泌性要因:甲状腺疾患や性腺機能低下症、細胞レベルで、陰茎勃起組織の勃起プロセスの開始刺激の停止や鈍麻。単独で発生する重症度の勃起不全

分子レベル要因:陰茎平滑筋細胞内のcGMP濃度の低下、副交感神経線維でのcAMP細胞内濃度の低下

低強体外衝撃波治療の種類と歴史


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体外衝撃波は、もともと1980年台に結石治療を目的に体外から局所に衝撃波を与えて治療をする目的で開発をされています。その後1990年代に整形外科領域での関節の石灰化治療、心臓の血管系の石灰化治療と分化し2010年台から、陰茎の局所の血流改善目的に開発をされています。デバイスの種類は様々でエネルギー源として電磁気や電気油圧、圧電などのデバイスが登場し、現在6つの低出力衝撃波治療(ESWT)が報告されており、エネルギーパラメーターもまちまちではありますが。0.09-0.55mJ/mm²の範囲であり、英武具学的影響エネルギーパラメータは-6dBと5MPaの焦点であり、ESWTデバイス間で大きく異なる治療プロトコルと適用エネルギーの大きなばらつきがある現状です。

スターフォーマーのED治療への応用


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Edの治療には、陰茎局所の治療だけでは、効果は限定的です。陰茎の海綿体への血流量増加と血流促進と新性血管の造成のみでは、メカニズム上不十分です。スターフォーマーは、高強度高周波磁気治療として骨盤内の血流と仙骨神経、陰部神経へのニューロモジュレーション機能が備わっており、そこに、当院オリジナルの陰茎への刺激も加え3方向からの血流と神経の改善を行います。仙骨神経により朝立ちを経験する方が、当院のデータでは治療後88%に上りました。

EDの集学的治療

勃起には、リビドーと言われる性欲と仙骨神経からの陰茎絵の刺激、そして陰茎へ向かう血管拡張の拡張と海綿体の血流の増加が必要です。このため、陰茎の機能だけを高めても効果が出にくい場合があります。このため集学的な治療が必要となり、男性ホルモン補充療法、神経のニューロモジュレーション、陰茎血管の新生や拡張をを促す治療を集学的に行うことで効果を上げていきます。このため、必要はあれば、スターフォーマーでの骨盤血流、神経刺激と陰茎刺激に加えて、テストステロン補充療法、内服による血管拡張作用を促し加療を行っていきます。

治療の効果と結果

当院では、スターフォーマーのEDモードをオリジナルに作成しておりED5-10まで様々な勃起障害に対応するようなモードの作成を行っております。EDの集学的治療を行った男性のではすべての男性で性機能スコア(IIEF5)が上昇有意に上昇をしています。また、施行後朝立ちを経験している患者様が88パーセントにも上り、神経学的にも良好な成績でした。また、仙骨神経刺激を行わなかった群との比較では、明らかな仙骨神経刺激群でMorninng electionが増加していました。

料金体系

スターフォーマED治療 18,000円(税込み)/回
1クール8回
テストステロン補充療法 5,000円(税込み)
ED薬(血管拡張薬) 1,300-1,600円(税込み)
初診料 5,500(税込み)
再診料 3,300円(税込み)
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