睡眠が浅くなりがちの高齢者やすでに夜間のトイレで何度も起きることがある方は、昼間の眠けに襲われることがあります。昼寝をすると夜中に眠れなくなると困るからと我慢する方もいますが、昼寝をしてかまいません。午後3時までの昼寝なら、夜の眠りを妨げることはありません。
気をつけたいのは、長い昼寝にしないことです。
睡眠不足だからといって1時間以上も寝ると、夜の睡眠に影響が出てきて、昼夜逆転の生活になってサーカディアンリズムを乱すことになります。また、1時間以上の昼寝をすると、認知症のリスクが2倍になるという怖いデータもあります。
理想は30分以内。長く寝てしまいそうで不安な方は、ウトウトしてきたら目覚ましタイマーをセットして寝るようにしましょう。短時間の昼寝は、睡眠障害の改善に有効だといわれています。昼寝をするさいに、クッションや座布団などに足を乗せ、枕2つ分くらい高くして横になると、夜間多尿を遠ざけることにもなります。
筋肉が衰えたり、体を動かす機会が少なくなったりすると、体の中を循環している水分を心臓に押し戻すポンプ機能がうまく働かなくなります。特に第二の心臓といわれる、ふくらはぎが衰えたり、使われなかったりすると、下半身に水分がたまりやすくなります。
つまり、昼寝のときに足を高くして寝ると、下半身にたまった水分が体全体に循環するようになり、昼間のうちに尿として排出できるということです。
下半身にたまる水分を体全体に循環させる方法として、おすすめなのは、1回5分程度の青竹踏みです。
縦半分に割った青竹の上でゆっくり足踏みするだけで足の裏やふくらはぎの血行がよくなり、下半身にたまっている水分が体全体に循環するようになります。下半身中心の運動になる夕方のウォーキングやジョギングにも同じ効果を期待できます。寝る前に尿として排出できれば、良質の睡眠を得られる準備ができます。