おしっこのトラブルの原因の1つは、加齢による膀胱の老化です。膀胱の筋肉が衰え、膀胱の血流が悪くなることで、膀胱の機能が低下します。老化現象は誰にでも起こることですが、生活習慣を改めることで進行を遅らせることもまた、誰にでもできることです。
そこで注目したいのが、男性ホルモンである「テストステロン」です!
筋肉づくりにかかせないテストステロンが少なくなると、それだけ膀胱の筋肉が硬くなりやすくなります。また、膀胱の動きが鈍ると、血管をやわらかくする一酸化窒素が減り、さらに膀胱の排尿筋だけでなく尿道括約筋も柔軟性が失われます。
男性ホルモンというと女性には無関係なように思えるかもしれませんが、女性も副腎や卵巣でテストステロンを分泌しています。その量は、男性の5~10%といわれていますが、女性ホルモン(エストロゲン)と比べると約10倍です。
さらにいえば、エストロゲンの分泌量は閉経後に激減しますが、テストステロンはゆるやかに減少します。閉経後に女性の体内で活躍するのは、実は男性ホルモンのほうなのです。
つまり、男性であっても、女性であっても、テストステロンが加齢とともに減少すると、膀胱が硬くなりやすくなります。逆の見方をすると、テストステロンの減少を抑えられると、やわらかい膀胱を維持できるということです。
筋肉づくりに久かせないテストステロンが減らなければ、体内の水分をプールしておく筋肉の量の維持も可能です。また、いつまでも元気な筋肉なら、ふくらはぎのポンプ機能を良好に保てるため、夕方に足がむくむことも少なくなります。
臨床の現場では、テストステロンを補充すると、夜中につくられる尿を減らすバソプレシンの分泌が増えることがわかっています。また、バソプレシンを投与して夜中にトイレに行く回数が減ると、テストステロンの量が増えることもわかっています。
テストステロンの低い人ほど、夜中に何度もトイレに行くことになるのです。
では、どうしたらテストステロンを増やすことができるのでしょうか。
この事については次回のブログでお伝えします!
#テストステロン補充 #泌尿器科