みなさんは、おしっこをどれくらいの時間ですませますか?
人間の排尿時間について興味深い事実を導き出したのが、2015年のイグノーベル賞物理学賞です。イグノーベル賞とは、ノーベル賞のパロディとして1991年に創設された賞で、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に贈られます。
2015年に物理学賞が贈られたテーマは、「動物によって排尿時間は異なるのか」。
そして、研究結果は、「動物たちすべてに共通して、約21秒間」。動物の種類によって食生活も体格も大きく異なるのに不思議ですよね。
もう少し詳しく解説すると、その研究によると、哺乳類は体の大きさにかかわらず、膀胱が空になるまでの時間が「21秒プラスマイナス13秒」、体重3kg以上だと「約21秒」になるということです。さらに、体重3kg以上の哺乳類は、尿道の直径と長さの比率が約1:18で共通しているそうです。
なぜ、21秒なのかはわかりませんが、自然界で生き残っていくには、21秒間でおしっこをすませなければいけなかったのかもしれません。
果たして日本人の場合はどうなのでしょうか。順天堂大学と旭川医科大学が共同で行った調査によると、年齢が上がるにつれて排尿時間が長くなることがわかりました。
70歳以上になると、排尿時間が30秒前後になります。
尿が出にくくなっているのは、加齢によって、おしっこを出すしくみになんらかの問題が生じてきている可能性があるということです。