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当院院長が夕刊フジ(6/14号)の取材をうけました!

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(以下、記事抜粋)

 

肥満やメタボリックシンドロームと男性ホルモンのテストステロンの低下は、双方向に関係している。肥満やメタボになれば、テストステロンの分泌量も減り、テストステロンが減ると体重が増え、生活習慣病も後押しされる。そして、もうひとつ、排尿障害にも関わるという。

「テストステロンの分泌量が減ると、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の受容体の感受性の低下や分泌量が減り、夜間多尿を起こしやすくなります。一方、肥満やメタボでは、膀胱の柔軟性が失われ、尿意を感じやすくなり、体外水分均衡の不均衡が起こりやすく夜間多尿につながります。肥満とメタボ、テストステロンの分泌量の減少が合わさることで、排尿トラブルを起こしやすいのです」

こう指摘するのは、「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山-aging careplus-」(東京都渋谷区猿楽町)の斎藤恵介院長。順天堂大学医学部附属病院にも所属し、日本メンズヘルス医学会のテストステロン治療認定医・サルコペニア指導士でもある。
国内では、肥満に該当するBMI(体格指数=体重㎏÷身長m2乗)25以上の人は、男性で約3割、女性で約2割(厚労省2019年「国民健康・栄養調査」)。肥満でテストステロンの分泌量が減り、夜間頻尿に陥るなど、男性更年期障害を知らぬ間に抱えた人がいる可能性がある。

「男性ホルモンの改善はとても大切です。男性ホルモンが作られているのは夜間です。夜間頻尿で睡眠が制限されると男性ホルモンの低下につながります。男性ホルモンが下がると代謝が落ち肥満になりやすい。運動しているはずなのに筋肉がつきにくくなります。逆に男性ホルモンが増加すると、糖代謝や脂質代謝も改善し糖尿病や高脂血症も改善を後押しします。また、ダイエットも男性ホルモンを上げる一つの方法です。脂肪が増えるとテストステロンが低下することも知られており、肥満の解消はとても大切です。また、内臓脂肪で膀胱や尿道が圧迫されると、尿意を抑えられず、尿失禁になりやすい。私がお勧めしているダイエット法のひとつは、ゆるやかな糖質制限です」

糖質は、ご飯やパン、麺類、菓子や果物などに含まれる。糖質をたくさんとると、中性脂肪に変わって内臓脂肪として蓄えられ、肥満やメタボにつながる。糖質を抑えると中性脂肪の蓄積が抑えられる。身体活動量を上げることは、単にカロリーを消費するだけではなく、レジスタンス運動(抗重力運動:ウォーキング。ジョギング、スクワットなど)と少量のタンパク質(30-50g)を3回から5回に小分けにして摂取することで筋肉量を増加させ、テストステロンに分泌の増加を後押しする。テストステロンの上昇は、中性脂肪や糖の代謝を良好にすることにも繋がるため良好な運動習慣は、まさに一石二鳥となる。

ただし、極端な糖質制限は逆効果。テストステロンはコレステロールを原料に合成されており、その合成に糖質は欠かせない。肉類中心の極端な糖質制限を続けていると、テストステロンの分泌量が減ってしまうのだ。

「肉類に偏った食事は、腎臓にも負担をかけるのでよくありません。ゆるやかな糖質制限で、肉類や魚類、野菜などをバランスよくとることが重要です」

先の調査では、野菜摂取量の平均値は約281グラム。「健康日本21(第三次)」の目標は平均値350グラムなので、野菜不足の人が多い。「テストステロンの分泌量を増やす栄養素は、タンパク質、亜鉛、ビタミンD。テストステロンを減らさないようにするには、タンパク質である肉類の摂取も大切ですが、ほとんどがアルカリ性食品である野菜を摂ることと適度な糖質の摂取が重要です。」野菜では、ニンニク、黒しょうが、ブロッコリー、ホウレンソウ、カボチャ、セロリ、セリ、タマネギ、アボカドなど。ニンニクは、肉などのタンパク質と一緒にとると、テストステロンが増えやすいといわれる。野菜もしっかり食べると、肥満・メタボ・男性更年期障害の3つの同時解消が期待できる。

「食生活の見直しは、尿トラブルからの開放にもつながります。今日から食事や運動を
意識しましょう」と斎藤院長はアドバイスする。

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