体が冷えるとトイレが近くなるといわれるのはどうしてでしょうか。
それは、下半身の冷えが起きると、冷えによる刺激を受けた膀胱が勝手に縮んでしまい、ためられる尿の量が少なくなるからです。また、冷えの刺激が尿意を引き起こす神経を進させることもあります。
おしっこのトラブルを抱えていない方でも、寒くなってくるとトイレに行く回数が増えるのは、それが理由です。寒い季節は、汗として水分を排出することが少なくなるため、その分、尿の量も多くなります。
ふつうの人でさえ冷えるとトイレが近くなるのですから、膀胱が敏感に反応する過活動膀胱の方は、さらに冷えに過剰に反応します。おしっこのトラブルを抱えている人にとっては、冷えは大敵なのです。対策を講じないと症状を悪化させることになります。
冷えは、体の防衛本能です。
皮膚で寒さを感じると、脳から、大事な心臓やおなかまわりの大きな血管を守るために体温を一定に保つよう指示が出ます。そうすると、末梢の血管を縮めて熱を逃がさないようにします。
それが、冷えで手足が冷たくなる理由です。
冷え対策として、手足を温めるために二重に靴下を履いたり、湯たんぽを足元に置いたりする方がいます。効果がないわけではありませんが、おすすめは、手足ではなくおなかを温めることです。
おなかを中心に温めてあげると大きな血管が開いてきて、結果的に末梢の血管もゆるんで手足が温かくなります。特に夜間頻尿で悩んでいる人は、湯たんぽを足元ではなく、おなかの横に置いて寝てみてください。冷えによる膀胱への刺澈が解消されるだけでなく、ぐっすり眠れるようになります。
また、体操や運動も冷え対策に効果があります。筋肉をよく動かすと、熱をどんどん生み出してくれるからです。