中途覚醒することなく、ぐっすり眠って夜中の尿意を遠ざけたいなら、朝食は必ず摂るようにしてください。私たちが朝になると目が覚めて、夜になると眠くなるのは、体内時計によって1日のリズムがつくられているからです。このリズムが、サーカディアンリズムです。
サーカディアンリズムが夜中の尿の量をコントロールしていると説明しましたが、睡眠も分泌されるホルモンによってコントロールされています。そのホルモンが、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」です。
しかし、メラトニンもバソプレシンと同じように、加齢とともに分泌量が低下するといわれています。その低下を抑え、夜になるとしっかり分泌するようになるために心がけたいのが、朝食です。
なぜかというと、朝食を摂ることで、メラトニンをつくるタイマーがセットされるからです。そして、14~16時間後に「メラトニンをつくりなさい」というスイッチが入ります。つまり、朝7時に起きて朝食を摂ると、夜9時くらいに自然に眠くなるということです。
朝食を摂るさいに、一緒にやってほしいのが、朝起きたらカーテンを開けて朝の光を浴びることです。
体内時計は平均24時間15分で1日のリズムを刻んでいるため、1日24時間周期に合わせるために毎日リセットする必要があります。リセットする方法が朝の光であり、朝食です。朝の光も浴びず、朝食も摂らなければ、1日のリズムがずれてきて、睡眠や覚醒のタイミングもずれてくることになります。
メラトニンの材料となるのは、アミノ酸の1つであるトリプトファンです。体内時計がリセットされると、トリプトファンから幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」がつくられ、夜になると、そのセロトニンからメラトニンがつくられます。
ただし、トリプトファンは体内でつくれない成分のため、日々の食事から摂らなければいけません。また、メラトニンをつくるにはビタミンB6も必要です。
トリプトファンは、肉類や魚類、納豆や豆腐などの豆類、牛乳やチーズなどの乳製品に多く含まれています。ビタミンB6は赤身の魚やヒレ肉、バナナ、パプリカなどに多く含まれています。
不眠に効果があると紹介されている食べ物には科学的根拠がないものが多く、それらを好んで食べるよりも、夜間頻尿を改善したいなら「朝食を抜かない」を意識することがとても重要です。
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